もっとスープカレーを食べたかった
◆Cairn
>『Cairn』は、『Furi』と『Haven』の開発が贈るサバイバルクライミング。自由かつ慎重にルートを計画しつつ崖を登り、限られた装備や物資をやりくりしながら過酷なマウント・カミを制覇しよう。人生を賭けた挑戦を成し遂げるためにアーヴァは何を差し出すのか。前人未到の頂を目指せ。
Cairnはケアーン、ケルン、つまり山にある石のアレです。
20時間ほどでノーマル相当の難易度をクリア、2周目をちょっと走って実績も全部終わった。
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▽概要
Cairnはクライミングシミュレーターである。
ウリとしてはできる限りリアル風として作られている部分になり、プレイヤーはAavaの四肢を1本ずつ動かして標高9000mを超えるMt. Kamiを登り続ける事になる。
本作はオープンワールドゲーム登山とは異なり、スタミナ管理の条件が細分化されている。
ゼルダBotW辺りではクライミングの要素としてはスタミナ、勾配角度、水濡れ辺りであるが、
本作はそれに加えてホールド/クラックの選択要素、体幹の状態による補正が加わり、ついでのようにスタミナが隠蔽される。
その過酷、かつ温かみのある手作りの山肌に対して、ルート選択と各種バフとテクニックで登り続けるのが本作の肝となる。
あと登山家なので頭のおかしいAavaの話もする。何であなたは馬鹿げた岩なんて登っているの?
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▽システム(クライミング)
本作の核心部分となる。
本作には平面と垂直の2モードがあり、平面は普通に歩いて素材を探すアクションRPGである。
垂直モードにすると四肢を選択して1本ずつ動かして登るモードに切り替わる、飛び降りるか、一番上に手をかけると自動で平面モードに切り替わる、または滑落するかだ。
この垂直モードの操作感が、想像よりも高い次元で完成されている。
不自由な壺野郎のような操作感となるかと思いきや、身体のコア部分は「背伸び」を含めて自動で動くようになっており、自動選択された四肢を1本ずつ上に伸ばしていけば違和感なく岩を登れる仕組みになっている。
この四肢の自動選択をはじめ、ある程度オートで判断される部分がギリギリゲームになるくらい作り込まれている。
自動選択は、まあ7割くらいプレイヤーの意図した四肢が選ばれるし、間違ってた場合も一旦どっかに置き直せば次に回ってくる。
これにより、人間の身体を動かすというプリミティブな楽しみを表現するゲームとして成立している、この感触はDeathStrandingに近い物もある。
身体を動かすというユーザーにとって直感的な行為を、違和感を削り取りながら小さなQTEに仕立てあげ、小さなストレスとその緩和を頻繁に繰り返す事でプレイヤーに達成感を与え続ける構造だ。
また、四肢の手動選択も2週目に入るくらいには余裕が出て手早くできるようになる。
解除からの復帰時はふざけた姿勢になりがちだが、R1+右下で右足を上げて段にひっかける、R1+右上で右腕でクラックを掴む、左足も段に上げる、といった流れを2秒以内に行うなど、自動選択を無視して再選択前提で回すと割と綺麗に決まる。
たまにオーバーハングなどの難所が発生するのでその時は事前に運指を決めておくとスムーズに進むはずだ。
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▽システム(サバイバル)
山を登るので勿論サバイバル要素がある、空腹/渇き/寒さの3種類だ、体力もあるが、睡眠は無い。
いや睡眠はできるのだが、睡眠を選ぶといきなり筋トレを始めたりするしゴリゴリ空腹と渇きが減っていって死ぬ、普通に詰み要素になる。
体力は寝れば回復したような気もするが、基本的に体力はバックパックの隙間を増やすために適当に消費していれば溢れるようになっている、不要。
ノーマル相当においては基本的にフレーバーである、バックパックは溢れる事を考える時間が9割なので、よほど変な飯作ってなければこれが切れて死にかける事は少ないだろう。
基本的にはペットボトルをかき集めては最強のハーブ水作ったりスープ作ったりで、バフの為に使う要素になっている。
俺はケチケチしてゲージが3分の1減ったら使うようにして貯め込んでたら途中イベントで凄まじいお仕置きを食らって烈火の如く怒った。三日三晩星が降ったという。
その他だと指だけ負傷があるらしい。クライミングテープを貼っている間は悪化しないので基本的には発生しない。行ったり来たりするとテープが有限なので死ぬかも。
骨折は無いので、滑落した際は大体体力が6割くらい持っていかれるか死ぬ。瀕死になる実績があるので1回適当な高度から落下すると良い。
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▽システム(バックパック)
みんな大好きバックパックバトルである。
バックパックは一つの大きな空間として用意されており、草を拾ったらバックパックの中にそのまま放り込まれて落ちる。
溢れたらR1押してバックを叩けば中の隙間が詰まる、という雑なシステムを採用している。
一応個別のアイテムを1個掴んで回転させながら奥に押し込むなどもできるが、アイテムに重さは設定されてない気がするのであんまり綺麗には詰め込めない、10回くらい叩いて諦めよう。
この雑なシステムにより、その辺に落ちてる食品をため込めそうでため込めない、今すぐ手持ちを良い感じに調理しようというゲームプレイが発生している、ロープワーク中はバックパック開けなかったりするので崖に咲いてるハーブを拾えない場合は今すぐ壁にピトンをぶち込んでビレイ解除してカバンを叩こう。
なお、ハード難易度にすると明らかに半分以下の容量に削減される。ランニングでもしてるのか?
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▽ストーリー
発表時点ではてっきりシミュレーター作品かと思うような映像だったが、ちゃんとストーリーがある。
エベレストを超える標高のマウント・カミが舞台なので、架空の世界となっている。
基本的に現実と同じだが、技術レベルにも違いがあり、今回アーヴァのパートナーはクライムボットという存在が務める。
クライムボットは喋りこそしないが所有者に追従し、無線機にもなり、何より登山家の命を預けるザイルパートナーとして機能する。
彼の存在により、神々の山領にて羽生丈二がひたすら苦労していたザイルパートナー探しに本作のクライマーが苦労する事はなくなった。
(勿論普通はパーティーを組んでいるが、ソロが少し増えてる。)
爪で壁を勝手に走って追いかけてくるし、壁に突き刺したピトンも自由に拾ってきてくれるため、普通に人間より便利な存在である。
そのようなクライムボットと共に、アーヴァは前人未踏のMt. Kamiの、さらにソロでの登頂を目指す。
アーヴァは同じくカミへの挑戦者達の死体や、過去観光地として機能していた頃の残骸を踏み越えながら山頂を目指す事となる。
その道中では過去の挑戦者達の無念と好き放題さが語られる事になる、麓では大量のプラスチックごみを見るだろうし、馬鹿どもが「悪さ」をした姿も見る事になるだろう。
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▽Bad
・ノーマル相当にオートセーブが無い
プレイヤーに正しいリスクとリターンを与えるのは非常に良いんだが、ルート構築の駆け引きとか全くない状況で35分ノーセーブとか要求してくるのは普通に危ない。プレイヤーが投げるレベル。
実際はビトン(ハーケン)をちゃんと刺せば一発ゲームオーバーは8割くらい無くなるが、短距離やる時にうっかり死んだりウォール再開序盤ピトン刺す前にうっかり死んだりそもそもピトンが刺さらないウォールだったり30分ノーセーブの後にダッシュジャンプしてくださいとか結構罠は存在する、まあ8割くらいは無くなる、無くなると思う。滑落した時ちょっと地面に叩きつけられてもいいからとにかく開幕にピトンを刺せ。
ノーマルの味付けは楽しみを与える内容が多いのだが、オートセーブ制限については普通に萎える危険の方が多い気がするので、これもアシストオプションで良かったんじゃねえかという気がする。
ちなみにハードはそもそもピトンとセーブの存在自体が消滅する。中断オンリーだ。(蘇生アイテムが増えるらしい)
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・チュートリアルが少なすぎる
チュートリアルが不要なゲーム性にしたのは没入感を得る手法として優秀だが、1回見落とすと以降のリカバリーが一切効かない状況になりがちだったので、詰まってたらランダムポップアップくらいして良かった気がする。
(初回ポップアップは実際そうなってる)
あとチュートリアルの上級コースの説明が無さすぎる、ホールド0だけどこのゲームはちゃんと壁の角度見て体幹の強度見てるよ!って説明無しにコース7やらせるのは無理だろ。
(向かい合った垂直の壁の間を両手を張り付けて少しずつ上がっていくと登れる、手を伸ばすと死ぬ)
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▽Good
・料理が楽しい
基本的に料理をする方がバフが付くし、耐寒の関係で必須要素となっている。
溢れ続けるバックパックを圧縮するために料理をするのは純粋に楽しい、ハーブの濃縮3回までできんのマジ!?などのクッキングバトルが熱いし、まだ良い食い物使いたくないしここ無限に水汲めるから水源を温め続けてお湯だけ飲もうなどのやりくりも発生する。
レシピはちょいちょい道中で見つかる。エナドリメーカーのガイドブックでインスタント麺をうちのエナドリで作れば登山家に最高!という文を読みながら作るとアーヴァのコメントがマズそう。とだけ書いてたりする。
酒とかいう水分減らすゴミもレシピによっては非常に圧縮効率の高い回復材になったりするので、20時間をかけてクッキングしていきたい。
ちなみにここもチュートリアルがほぼなく、フルスタックじゃない水で水物作ると丸損だとか、メイン水筒が空っぽの時だけ水物の移し替えができるよとかはマジで説明しろ。
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・周回が楽しい
アップグレード自体は存在するものの、攻略難易度のほとんどがプレイヤーの登攀と計画のスキルに依存するため、2周目が本当に楽しい、こんなに潤沢にハーブを採取させて頂いてよろしいんですか!?となる。
実績回収とノーヒントで思いっきり見落としてたエリアを見物しに2周目をやっていたが、普通にハードモードでもう1周回していいなという気分にはなっている。
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・難易度曲線
実はあまり難易度は最初から最後まで変わらない、実績の為に寄り道しようとすると急に悪辣なコースがお出しされるが、道中は割と序盤から難しいコースがパッと見えて、もうちょい周りを見ると楽なコースがある、という流れになっている。
普通に序盤からハングが出てくるというか、むしろ序盤の方が多い気する。
その為、後半はストーリーが盛り上がるに合わせてウォールの登る速度も上がっていくので、盛り上がりが維持されやすい所があった。
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▽全体(ストーリーの挿入頻度)
水を差すように挿入される地上からの連絡が本当に最悪。
ゲームに慣れて楽しくなってきて、直感的な操作によりアーヴァとプレイヤーの同一性が多めに取られた中で難所を超えて、目の前に平原が広がったまさにその時クライムボットがボイスメッセージの着信を知らせ、無神経な身内の音声が流れ、地上の奴らは何も分かってない!という事をプレイヤーに思わせようとしているフシがある。
中盤からは登攀速度は上がりがちで、難所を超えてあとはラストワンプッシュ!でスイスイ登ったとこにぶち込む構成はまさに見事だった。
本作ではこのように、横暴なアーヴァ、 無理解な地上人、死体となった、または「降りた」登山家達、ただ人を殺し続ける山のコントラストが20時間かけて描かれる。
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▽全体(評価)
普通にストーリー、ゲームシステム、ビジュアル、BGMのいずれかで今年のアワードを取ると思う、3000円の癖に完成度が高すぎる。
とにかくこのゲームシステムをプレイに耐えうる操作性までまとめて出してきたのが素晴らしい。
まあたまに事故った動きするのでパーマデスのハードはシステムに殺されてキレる気もするが、その代わり急にホールドが崩れるとかの要素はないので、安全ルートを考える為の代償として納得していきましょう。
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