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もっとスープカレーを食べたかった
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界の軌跡所感

空の軌跡 the 1st
界の軌跡でお前マジでやりやがったな......とユーザーの皆が頭を抱える中、
近代日本ファルコム信者におけるFF7リメイクこと空の軌跡リメイクがとうとう発売された。




今回は軌跡で社長になった男こと近藤社長が絶対に新規を入れるという強い意志を持っていたためか、新規参入の妨げとなるシリーズ物ですというパッケージを極力排除している、これが最初なので1stと書いてるし英雄伝説というシリーズ名も使用していない。英雄伝説6からの裏切り!
この辺は英語版もTrails in the Sky 1st Chapterとなっており、The Legend of Heroesは除かれている。スタッフロールにも無いらしい。

勿論F社信者は面倒な奴らばっかりなので裏切り者扱いをし始めるかと思えばさらに戻ってガガーブトリロジー(英雄伝説3)これでリメイクした方が良くない?とか言い出している、今ジュリオと暴力ヒロインクリスちゃんは売れないんじゃねえかな。

初週をノーマル、50時間弱でクリアした、料理入ってる宝箱を1個だけ見事に見逃してトロフィーをまとめて3つくらい逃した。許せねえよ。


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▽あらすじ
主人公のエステルとヨシュアの姉弟は遊撃士の父と3人で暮らしていた。
遊撃士、国家への影響力を持たない民衆の味方として各国に広く浸透したギルド、父と同じく、その遊撃士になる為の試験の朝から物語は始まる。

試験を終えて見習いとして認められた二人は、正遊撃士となる為には国の各ギルドを巡って推薦状を集める必要がある。
二人は正遊撃士を目指し、姉弟で国の全てのギルドを巡って活躍する事を目指して旅立つのであった。


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▽シナリオ関連
ED6-3あたりから激重弟以外からも神格化が始まったシャイニングガール主人公回であり、あらすじからしてめちゃくちゃ前向きな構成となっている。

明るい姉と振り回される弟が各地のギルドの先輩や新しい友人と力を合わせて各地の問題に食い込んで解決に貢献していく快進撃であり、道中も基本的には観光!義憤!挫折!解決!とぽんぽん進んでいく、快進撃である。

正しく挫折して怒る主人公が周りを巻き込んで流れを作っていく形はまあ綺麗だ、ギルド関係者も民間人助ける為なら手段選ばない真面目な人しか居ないので話が止まる所がないし、新人達でもいけるパワーバランスまで持っていってくれる。
(このエステルの速攻解決ムーブを新人が無茶な事してんじゃねえぞとマジで止める存在はチンピラ兼先輩遊撃士のアガット先輩しかいない)

- 適正レベルを教えてくれる先輩



あと、舞台設定としてこの時代は携帯電話持ってる人が一人除いて居ないので、FF6くらいのファンタジーRPGとしても楽しめる範囲となっている、まだ。
(実質電力で動く戦車と飛行船はある)


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▽システムとゲームバランス関連
・システム側で一番大きいのは空の軌跡元祖のオーブメントビルドの復活。

クォーツ(マテリア)の属性値の合計でアーツ(魔法)をアンロックしないとならず、それをパラメータアップと両立させなければならない。

・バトルシステムとバランスは黎の軌跡を空の軌跡サイズにカッティングした感じ、フィールドバトルは魔法の代わりにコンビアタック増えたり、コマンドバトル時のややこしいゲージも整理されたし、現実的に発生するバフと状態異常の量もかなり常識的な範囲に収まっている。

・とはいえ序盤のバランスはノーマルで十分厳しい、全部消化してるのに普通にボスで1回負ける。中盤以降は火力が跳ね上がるので押し切りがち。

これはボスの行動の運もかなり大きいが、キャラビルド側で対策する事も可能なように見えた、自分はケチケチ貯めてたのでその時点の限界まで防御上げたりとかはしてない。

・フィールドバトル側は中盤からめっちゃ快適だが、スタンの仕様が変わって敵のSPDで1ターン遅延じゃなくて固定遅延になった気がするので一方的すぎないチューニングになっていた、これは良い変更な気がする。

- ラスダンでのバトル風景(ハイスピードモードを録画した関係でガタガタになってる)-------------------
▽キャラビルド
オーブメントのクォーツビルド概要は以下のようになる
・キャラごとにクォーツをセットするラインを1本以上持っている。
・1ラインにセットされたクォーツの属性値のトータルで魔法がアンロック。(ここが初代独自)
・クォーツのスロット総数は全員同じな為、ライン1本のキャラが純魔、という事になる。物理キャラは最悪ライン4本!
・キャラごとのラインの数と属性限定スロットが個性付けとなっている。
・クォーツは属性値とは別に攻撃力上昇などのバフを持っている。

後年魔法アンロックは難しすぎてダメでしょってなったりスロットにレベルができたり色々変わったが、初代においてはとにかく魔法アンロックがキモとなる。

まあ魔法を投げ捨てて攻撃必殺破壊HP入れて物理技連発しても大丈夫なバランスではあるのだが、今使える最大魔法を組んで結構出るMP消費0ターンの時にぶちかますのは単純に楽しい。
魔法はそもそも基礎ダメでかいのでどんなキャラだろうと組み甲斐があるし、物理キャラでも速度バフは撒けるなどの割り切りも可能。
その時のキャラビルドのやる気によってどこまでやるか考えよう。

幸い空の軌跡1st段階ではクォーツの種類がめちゃくちゃ絞られている為、このキャラはこれ無理だな、という割り切りがしやすくなっている。
純魔のクローゼさんは水スロット2個あるから必須クォーツ考えたら全魔法解禁どころか火属性すら無理だろみたいになる為、ダイアモンドダストの威力と回転を高める方向にシフトすると凄いまとまる。

その他武器防具アクセの強化などがあるが、今回メタルスライムが万能アクセ2種類ポンポン落とすのでアクセは何も考えなくて良かった。
メタルスライム見えたらセーブして何か落とすまで殴ってゲストのアクセは全部速度にしてしまえばいい。


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▽3Dリメイクについて
今回のリメイクによって2D3頭身キャラから3Dになるにあたり、キャラの振る舞いのリアリティラインが変わる事になった。

-3頭身時代のリアリティラインのイメージ



この辺に関しての全体的な感想としては、ともかく逃げなかったなという印象。名シーンとされてる各シーンにおいても、まあこんなもんでしょではなくF社の持てる技術を駆使して全力で殴りかかってきている印象。(八つ裂きとか)

-ヨシュア君のゴミを見る目の比較



まずはキャラ側、エステルとヨシュアを始めとするプレイアブルキャラ、戦闘に参加するタイプのNPCキャラ、その他サブキャラなど黎の軌跡から全体的に作り直している。

- モブの眼鏡も強化されている


人気キャラのアネラス氏とティータ辺りは明らかに力の入り方が違ったり、俺ユリア中尉を一番カッコいい女にしますって言ったやつが居そうな造形になっていたり、作り手側にかなり原作信者がいる気がしている。
一方でモブも黎あたりから追加が入っていると思われ、一部ツラの良いのが混ざっているのでメリハリがついた印象となる。

-アネラス氏とティータ・ラッセル(12)




次にマップ側、空の軌跡は都市5個あるのに7割くらい街道とダンジョンなのでここはしっかり組んできた。
整備された街道と関所で接続されたリベール国内は割と明るく観光気分で歩ける雰囲気となる。まあ魔獣いるので他の旅人は居ないんですけど。

PC版ではそこそこ風とか光とかあるので結構重かったりする。
要件としては最低のGTX 1050しか書いてなかったりするが、GTX3070Ti(4年目のPC)だと4Kフルスクリーンで中設定でもカクツキが見えて来たり、温度警告が出たりする、まあそんなに軽くはない気がする。

そしてカメラ、閃2とかカメラ担当が頑張ったのか特別良い時はあるがF社は基本的にカットシーンや普段の会話が人形劇になりがち。
だが、黎2とYsXはその辺の印象が弱かった、最近のF社は割とお寒くないのだ。
そこで満を持しての軌跡初代フルリメイクである本作だが、普通に良かった。

主人公がエステルなので体ごと動くリアクションが派手にやれるし、表情もちゃんと指定されてるし、漫画的に崩した表情も増やしたし、パーティー人数が少ないので会話のキャッチボールも締まっている。

意外だったのはオリビエのリサイタルシーンがマジで良かった点だ。
マジで良いリサイタルなんだけどこの時間なんなの?をエステルが投げ飛ばしていくのは第1章、消えた飛行客船!

- 最高の音響



細かな表情の対応により、閃の軌跡あたりで連発しすぎで苦言の対象になりがちだった漫符表現もほぼ無くなった、コミカルさを強調したい時にあえてやるという使い方をされている。
(つまりオリビエが連行されるシーンなどだ)

後ついでに戦闘中のクラフト(スキル)のカメラも全体的に良くなっている、敵のクラフトに決めポーズ入れましょう!みたいな指定が入ってると思われる。

クラフトモーションついでにグランアリーナの話をすると、終章で闘技場のシーンがあるのだが、そこがなんと全試合普通にオートバトル(戦闘内容は全確定)で流し始めた、ここまで全部再現すんの!?
そこで出場しているここまでの顔見知りのクラフトモーションを改めて見れるとか、割と必要最低限な試合内容にしてるんだなとか、遊撃士チームがどう考えてもボス戦の理想のチュートリアルみたいな試合展開しててダメだった、終章でチュートリアルをするな。


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▽Bad
・たまにキャラの性欲がノイズに映る事がある。
軌跡シナリオは悪い奴は雑にテンプレ台詞喋らせときゃいいでしょみたいな事をしばしばするのだが(零のヴァルドとか)、この時のセリフ選びが完全に昭和から平成マガジンになるので会話内容が一定時間めちゃくちゃペラくなってしまう。

なおかつ、その内容が性欲に基づいた不愉快なキャラクターを演出しようという方向性の為、虚無だし気持ち悪いしで二重に辛い時間になりがち。

零だと新人警官がピンチだぜで、黎だとこいつは信頼できない情報提供者だな、といった要素の強調もあったが、モブ顔のチンピラがこれやると主人公に殴られるだけだし嫌いな人はめっちゃ嫌いだしあんまりお得な表現ではない気がする。

オリビエさんに関しては性欲というより愛(好感度)稼ぐの最高という人なのでまあなんとか、いやこう考えると差別化としてカスが出てくるの自体は良いのか...?

・マップデザインが原作を再現しようとしたのか妙に複雑、民家がほぼ2階建てかロフト構造になってたり、イベントが何もないベランダがあったりするので会話を集める際に見落としが発生しやすいというか、接続をよく見ないとそもそも存在に気付かない場所もある。メイド居室と調理場で地下室が対角線上に2つありますとか言い出す。

全ての村人と2回話す義務負ってる軌跡ユーザーに対してこの構成は信じられない。F社はユーザーの信頼を裏切りました。

・というか普通にフィールドマップの分かれ道の見落としもちょいちょい発生する、2章から全体マップ出した後マップの枠線なぞる様に確認するようになった。
これは今回マップに距離関係なく宝箱表示するクォーツがなくなったのが大きい。
(最近はまだ行ってない道があるか宝箱があるかどうかで分かる)

・あとPC版の設定にはカメラの視野ことFOV設定があり、これを弄るとめちゃくちゃ気持ち悪かった、別に酔う訳では無かったのだが、このカメラの近さでFOV広くするとめちゃくちゃ辛い気がする。


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▽Good(その他感想)
・ゲーム内のシナリオ進行がめちゃくちゃ早くなった気がするのだが、多分これはマップの3D化、フィールドバトル、ハイスピードモードあたりの印象が強い為と思われる。
エステルとヨシュアの二人は準遊撃士から正遊撃士に昇格するために各地域で推薦状を集めるのだが、体感では町に付いたら何か問題が起きててそれを2日で終わらせて推薦状貰って次へ、くらいの勢いに感じる。
閃の軌跡以降はルーチンワークすぎて全然旅してる感じが無くて浅いと思ってたのだが、日程管理についてはあまり変わってなかったらしい。

・RPG部分の自由度が高い。
各地域に入った後、町に行くまでと町からの街道が大体十字路っぽく伸びているデザインとなるのだが、一度町から出ようとなった際は大体全部の道と、普通止めるだろっていうダンジョンまで解禁される。なんなら最初に町に行くまでの脇道にもそのまま突っ込んで先に進める。

現代では許されない自由度な印象だが、この雑なアンロックによってノーマル難易度でも割と歯応えのある戦闘ができたり、イベント戦闘で辛いときにレベル上げてこよといった逃げ道ができている。
隠しクエストとかの嫌がらせには使われていないので、ここは純粋にRPGの自由度として機能していた。

ノーマルだと町まで行って武器更新したら大技ぶん回しながら大体全部いけるノリに見えたので、その段階で一旦行けるとこ全部行って、サブクエスト、後でクエストで行くであろうダンジョンの先行消化、その章で想定されてるキャラビルドとかまとめてやって明日一気にシナリオ進めよ、というリズムができたのは良かった。

あとこの方式だと無理やり先行して進んでるので別にバランス悪くても良いよね感が出るし、プレイヤー側としてもゲームをハックしている感覚が出るのでお互いに悪くない気がする、道が分からなくて混乱するタイプの人以外には。

・シナリオに振り回されるRPG体験が気持ちいい。
マップ探索のアンロックは雑な一方、シナリオは完璧にジェットコースター型である。
「旅程」が可視化された閃の軌跡以降とは異なり、その日に休憩なしでいくら詰め込んでも良い空の軌跡は次に何が起こるのか何も分からない。その中で各地域ごとに2,3人の仲間が入れ替わり立ち代わりパーティーメンバーとして変わっていく、平気で2人に戻ったり、フルパーティーではない状態にさせてから章の最終パートが始まる。

これにより、シナリオの面白さがまず優先、その場で最善のキャラビルドの検討、といった構成が作られており、基本的にはワクワクする体験として評価して良いのではないだろうか。

まさか終章なのでちゃんと欲しいアーツだけ絞って余りをパラメータに回すように真面目に全員のビルドしたら、その後突撃班編成します!魔法ユーザー、無し!とか言われるとは思わなかった。(回復アーツ一切無し)

・無理なシナリオ展開が少ない
各章の登場キャラクター数が絞られている為か、話の展開に無駄が無くて抵抗が非常に少ない。
まだタツジンも少ないので見栄を切るシーンも無いし、無茶があるだろって展開もアガットさんが負けたシーンくらいかな、いやそれ絶対だめだよアガットさん頑張って!!

まあ考えてみればこれとその次のシナリオがヤバかったから20年続いてるので、当然といえば当然なのかもしれない。

・フィールドバトルのお陰で戦闘BGMが消滅気味になっており、ラストダンジョンで常に虚ろなる光の封土が流れ続けて最高。


・界の軌跡で項目増えすぎて使い勝手が悪化したメニューUIは今回要素が減ったり素直にL1R1対応したりでまあ問題ない範囲となった、速度は落ちたかもしれない。

・2週目に敵のレベル50+の要素が増えた、虚無になりがちだった2週目ナイトメアがやや適正レベルに!!
(軌跡のLv50以上は大味なので初週ナイトメアとは比較にならないくらい多分楽だが)


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▽総合
F社の伝説のストレートが完璧なフォームで投げられた結果となった。



割と話は忘れてるのと、空の軌跡特有の少ない人数が大きい状況に振り回され続けるストーリー展開のお陰でストーリー体験は良好であり、
黎以降で完成したフィールドバトルは単純に爽快、
ハイスピードモードのお陰で中編RPGクラスに圧縮されたプレイ時間、
中編RPGに対してシンプルに奥行きを設定されたキャラビルド、
美化されすぎた思い出が破壊されるのではないかと思われた各種カットシーンにも丁寧に向き合った本作は非常に隙の無い出来だ。

基本的には本作から空の軌跡を始めて頂ければよろしいでしょう、もっと何か言う事出てくると思ってたわ。


- 担当がめちゃくちゃ気合を入れたと思われるユリア中尉
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