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もっとスープカレーを食べたかった
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S.T.A.L.K.E.R.2: Heart of Chernobyl
85時間くらいで終わった、サブクエストは消滅したりバグったりしてるのを除いて勝手に見えてた分はやった感じだが、まあ6割くらいな印象はある。


▽S.T.A.L.K.E.R.について
元々チェルノブイリ原発事故により異常現象が観測され、ゾーンとして隔離されたパラレルワールドを描くShadow of Chernobyl、Clear Sky、Call of Pripyatの3部作があり、先日移植された調整版の売り文句だと良い数が売れてたらしい。俺は初代SoCの序盤で何か投げた。

ゲームジャンルとしては昔はFPSでRPGとして呼ばれてた事が多かった気がするが、アドベンチャーと書かれたりサバイバルオープンワールドRPGでもある。
SoC(2007年)はTES4:Oblivion(2006)と近い時期だったりするのでFPS視点のオープンワールドRPGを育てた連中の一角でもあるイメージではあるだろう。

Oblivionもオープンワールドお馴染みの重量制限はあったが、こっちは銃器破損とか弾薬の重量とか色々あってオブリと同世代とは思えない精神性をしている、そしてそれは本作Heart of Chernobylでも引き継がれている感じ、何で売れたのか分からない。


▽あらすじ
Skifは元軍人である。いきなり家に謎のアーティファクトが出現して爆発炎上したことにより家を失った彼はゾーンへ責任を取らせに来た。この石は俺を新しい家まで運ぶ義務がある。

ゾーンへの密入国を仲介するブローカーを通して侵入したSkifだが、ゾーン内部からの裏切りによってまたも奪われる、Skifは裏切り者を追い、新しい家を求めて怒りのLonerとしてStalker道へと身を投じるのであった。





▽ゲーム全体の流れ
基本的にはメインミッションを追いかけていくと3部作のワールド全て統合したマップ全てを旅していくことになる。
割とガンガン移動していくし大き目のランドマークに応じてマップの雰囲気も変わっていくので、かなり長い旅路を踏破する雰囲気となった。

オープンワールドの寄り道は多分エリア二つ目から8割くらい解禁される、全然関係ない新しいエリア行ってサブクエ受けてアーティファクト探して、といった振る舞いも可能。

基本的に装備そのものがレベルとなり、何らかのゲーム進行度でワールドレベルが動いてる為、進め方にあたって足止めとなるような要素はあまり存在しない構造となる。

- 殺したギャングの遺品を探す道中で焼き立てのパンにありつこうとするSkif君



▽キャラビルド
プライマリ武器2本、セカンダリ1本、防具のヘルメットとスーツ、スーツに付随するアーティファクトスロットがキャラビルド枠となる。

アップグレードはあるがそれに応じて修理費が上がる、武器と弾薬それぞれに攻撃力が設定されており、ユニーク武器はさらに数値が違う、強いアーティファクトは大体放射性物質としても強いジレンマなど、中々キャラビルド面で考える事は多い。

実際のプレイ時はこの装備をいつまで使えるのだろうかという事を考えながら安い改造だけやったり、一番修理費がヤバいスーツは改造も修理もせずに次々使い捨てたりしてやりくりして最終装備の改造費貯金を捻出していた、この辺のカネの苦しみは結構よくできてた気がする。


▽サバイバル
体力と飯と睡眠と放射線、重量と装備の耐久度がある、飯はいくらでも手に入る、睡眠は忘れたころに来るレベル、放射線は事故死ギミックとアーティファクトの装備ミスが大半、体力はダメージでかすぎて回復使う回数大すぎって感じ。

まあ基本的には雰囲気作りとしてたまに思い出させてくる要素となった、走ってる時間長いのでここ厳しくしたら辛すぎるかも。

一番真面目に辛いのは装備の耐久度となる。長丁場のメインミッションでは普通に赤ゲージが見える事があり、黄色の時点で銃は平気でジャムる、黄色いアサルトライフルで接近戦は話にならないレベル。


▽戦闘
人間の各勢力とミュータントが敵となるのだが、AIの都合なのかめちゃくちゃ横沸きする。ステルスの駆け引きはほぼないし、拠点に忍び寄る際も速攻でバレがち。

ガスマスクがあるのでヘッドショット一発とはいかない事もあるが、武器と貫通力の調整でなんとかできる。
問題は最初から最後まで登場するミュータント側であり、こいつらがどう見ても肉なのに全員異常な装甲値を持っている。

最初に出てくるミュータントがそもそも殴りモーション入るまでステルスで殴り終わったら即ステルスになる敵で、一発殴られると7割持っていかれて出血、倒すには中盤のアサルトライフルで1マグフルオートでぶち込んでいけるかどうか、といった感じ。
一般的なショットガンだと4発必要になり、序盤に4発撃てるショットガンは存在しない、そして場合によってはこいつが2体出てくる、序盤から。

そして初期エリアは出現するミュータントの種類が絞られてる印象があり、逆にめちゃくちゃこいつが出てくる。そう!STALKER達に大人気でDayZModのNamalskにも登場していたさっちゃんことBloodSucker!いい加減にしろ!!

以上のような怒りのお陰で武器のアップグレードと切り札(貫通弾)の用意が生きてくる構造となる。
なお、死んだらどんな死因だろうがさっちゃんのアップの画像と一緒に累計死亡回数を見せられる。


▽シナリオ関連
予想以上に良かった。2から入った人でも何となくゾーンの噂を聞いてるくらいなら問題なく行ける、Skif君の非常にごもっともな怒りに沿ってゾーンを突き進んでいくと歴代の偉い奴らが出てきてお前誰に付くんだよと聞いてくるのだが、選択の状況をかなり作りこんでいる。



トップは何かどっちもヤバい奴じゃねえかって段階で下士官はめちゃくちゃいい奴で下士官レベルで選択させたり、選択したらこのトップゴミじゃんって話を出して来たり、断ったらロクな事にならない状況で選択させたりと、めちゃくちゃ嫌なジェットコースターが展開されて選択に緊張感がある、ゾーンを生き延びろ。

ゾーンの異常現象とか無限のエネルギーとかはほどほどな程度に夢がある話となり、4本くらいのマルチエンドになってるらしい。エンディングは終盤決まるが、途中も町が吹っ飛ぶかどうかくらいの分岐はある。

俺のSkif君はちょっと諦観した視点になってしまったのだが、なんか新しい家は手に入らなかった気配あるので次は自宅を手に入れてやりたい。




▽よくない所
・修理費が高すぎる
余りにも高すぎるので戦闘が罰ゲームになって選択肢が狭まってくる。
特にドロップが存在しないミュータントにおいては純度100%の罰ゲームとなるため、移動中に重量を緑でキープして横沸きしたら常に走って振り切るのが正解となる、戦闘する奴は馬鹿だ、とゾーンが話しかけてくる。

他にもフルオート銃は修理費ヤバいんじゃないかとか罠が満載である。
基本的に4倍スコープ付いたアサルトライフルで単射運用していたが、多分マークスマンライフルとハンドガン持った方が良かった。

まあこれのお陰でスーツ使い捨てて貯金作るハックの喜びが大きくはあったのだが、あんまり一般的な喜びには繋がらないと思う。

- 闘技場にハメられた後バグ利用で備品を持ち出そうとしてるシーン
・バグ多すぎ
クエスト消滅が少なくとも3回、重要サブクエスト完全進行不能が1回、メインクエスト完全進行不能が1回(壁抜けチートなかったら一発終了だったかも)、重要アーティファクトの消滅が1回、フリーズからの全セーブデータ消滅が1回、最初の町のベッドが使用不可能になるのが現在。


・重量制限が余りにも厳しい
デフォルト80kg見えるので別にリアリズムって訳でもないのだが、弾薬とか回復材とかで重量は常に終わっている為、オープンワールドごみ拾いRPGとの相性が最悪。

ごみの整理が楽しい所でもあるのだが、それにしたって厳しすぎる気がする。
後で良い銃でたら使うかもしれない弾薬を捨てるのは辛い所だし、ある程度慣れて厳選しても中盤の探索で売り払う為に状態の良い銃拾っとこ!といった判断ができるシーンは少ない。スーツ2着目が出て嫌な顔したりする。


▽良い所
・パズルが多彩
良い所になるか微妙な部分でもあるが、マップに何らかのタイミングで宝箱の隠し場所が表示されるので拾いに行くのだが、大体ミニパズルが絡んでいる。

部屋の角の箱の裏だったり、屋根裏だったり、屋根裏に普通に登れなくてフェンスなりクレーンなり箱なりから登ったり、ドアの裏に回り込んで鍵を破壊したり、周りの死体からパスコード探したり様々だ、これが正規ルートかよという気分になることも多いのだが、ああこれ後から来いじゃなくてミニパズルなのか、というのが分かると結構楽しくなってきた。中盤からアップグレードがちょいちょい出るようになるし。

ただたまに後から来いって感じのどうしようもないドアはある、これはミニマップに出すな!

十分すぎる数があるのでBotW的なマイクロチャレンジとして機能しているが、のろのろやってると敵が沸くしここでも重量制限が足を引っ張ってまあ見に行かなくても良いかな、みたいな状況が出てきて微妙な所もある。

- かなり極端な例
・ホラーは弱め
一応ホラーFPSとも捉えられなくもないゲームだが、特に狙って怖いシーンは作られていない。ミュータントの造形はグロめだが、基本的にはサバイバルの死の恐怖が強い感じがあり、自分が強くなってくれば温度感も変わってくる。(貫通弾を装填したハンドガンに持ち替える)
・エンディング
エンディング周辺のシンプルな盛り上がりの連続が強い。

ここまで長い間やり取りして目的が見えてきた各勢力への立ち位置の決定もそうだし、邪魔する人間をすべて叩き潰し、ゾーンの中心へと到達する3時間クラスの激闘の連続、ゾーンの中心での解答、ここで全てを終わらせる為に全員がぶつかりあう様は見事としか言いようがない。

フォロワーの作品がほぼ全部メリバだったのでこれが本家ウクライナから出てくるとは思わなかった。


・Loner
一人で活動するLone StalkerとしてのRPG体験は完成している。

資金繰りに苦しみ、荷物の重さと長い旅路に苦しみ、生き延びるための装備に飢え、集団に襲われた時はまず逃げ出し、依頼者からは当然のように裏切られる。

そんな日々を過ごしているとこちらも利益を最大化するようになったり、同じLonerのウォッカばかり飲んでるバカどもを助けたり、それはそれとしてケジメの計算が厳格になったり、装備の更新の拘りは大きくなっていき、有利な立ち位置の計算が早くなったり、ゾーンにどんどん適応していく。

そして最後にGood Hunting Stalker, Good Hunting.と言われて別れた時、ザリシアで同じ言葉を言われた時とは別の意味の無感動さで銃を持ち替えて歩き出したのである。

- バカどもの方▽よくない所(2回目)
・お勧めできない
半年くらいパッチ寝かせた方が良いよの話とは別に、とても人にお勧めできるバランスではない。

現代だとTarkovやってる奴くらい死と散歩に慣れてないと辛い感じ。
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