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もっとスープカレーを食べたかった
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サガ フロンティア2 リマスター
Nintendo Directで急にOut Todayされたサガフロンティア2のリマスター版である。

50時間ほどでクリアと全実績の消化が終わった。
追加ボスはこりゃ丁寧に組まねえとなって準備を始めた所で止まってる。




▽概要
サガというと骨太理不尽コマンドRPGというイメージになりがちだと思われるのだが、本作はその中でも異色な存在であり、メインシナリオがある人物の視点から描かれる大河小説に近い形式になっている。

その関係でロマサガ2,3あたりからのイメージであるフリーシナリオRPGではなく、その時の年代のエピソードの中からシナリオを選択して好きな順番でプレイしていく形となった。
さらに発売時期が近かった聖剣伝説と同じ感じの水彩画っぽいルックになっており、童話か、はたまた歴史かといった雰囲気を作っている。

その上である少年の立志伝を重点的にやっていくわけだが、そのシナリオの描写は恐らくサガの特徴である引き算された会話で描かれている為、非常に締まっている。

短く、ダレないのに人の感情だけはしっかり表現され、歴史が次々流れていくシナリオは非常に特徴的だ。





しかしながら、やはりというべきかサガなのでRPG的に問題があり、非常に癖がある(配慮した表現)ゲームデザインとなっている。


▽プレイヤーに過剰な不安を与えるゲームデザイン!
・武器が折れる
→代表的な所では武器の使用制限があり、その数値が非常に厳しい。
特に威力が低い序盤において、武器が無くなる不安を感じる制限となっている。

・何か急に強力な術が使えなくなる
→術を構成する属性(アニマ)を装備品として持っていないといけない。つまり大体属性持ってる武器が折れると術が死ぬ。
→防具スロットにある防御力が無い意味の分からんアクセサリ、というかゴミ(名前がもう獣の牙とかである)はこのアニマ用のビルドに使う、使うのだが、リマスター前にこの説明があったか覚えてない。

・シナリオの都合上自由にレベル上げができない。
→自由にできるタイミングでやっておかないと辛いのだが、タイミングの説明がない。(今回かなり増えたのでマシになった気はする)

・サガ
→そもそもサガなのでゲームシステムレベルで分からん殺しが頻発する。今回はLP(寿命)の扱いも違う。最初のダンジョンでもうLP3使っちゃったよぅー!とか叫ぶ事になる。




▽キャラビルド
・装備
両手2スロと防具4スロで、胴体+状態異常+属性アクセ2個、みたいなイメージ。
胴体の防具で防御を確保して、使いたい術の為に属性アクセサリを埋めていく形になる。
武器も属性持ってるので属性パズルに使えるが、頻繁に折るので在庫に気を付けよう。

以上の仕様から、属性持ってる胴防具とか盾が神となる。うっかり数字だけ見て鉄の防具付けると猛烈な術デバフがついて死ぬ。世界観的に鉄の防具は術が使えない落伍者専用装備なのだ。

・ステータス
力と魔力が無い。
WP/JPがつまりMP/力/魔力を兼務している模様だが、使ってる武器に依存する分が一番大きい気がする。

つまり武器の使用回数に縛られてケチケチ弱い武器使っているといつまでも弱い。
なので、使用回数の縛りが緩い術側がゲーム的に強くなっている印象。

この辺も説明はなかった気がする、特にWPが力兼務してるのはマジで知らない、いやWeaponPowerだからそうだろって言われたらそうかもしれないって通らねえよ!

・術技
技はサガなのでいつも通り閃いて覚える。術は混合属性が多め?で戦闘後に覚える。
なぜか術の学習はキャラに依存するマスクデータとなっており、術ごとに覚えられるキャラが決まっている。




世界観的に属性武器が多いのだが、属性武器に付随している術技(属性攻撃)がちょっと罠。
技ポイントとは別の術ポイントで撃てるから使いやすいし、序盤の技より威力が出るのだが、術扱いとなって技の閃きが無いし、威力が伸びない。
しかし代わりに使ってると筋力と魔力を両方伸ばせてお得、使い所が難しい。

正解は開幕で全ての技を閃いておいて、後のゲームは全部術技で殴る。です。
二周目をやったことのあるプレイヤー的にはマジで開幕のダンジョンで9割覚えるのが正解、かつ非現実的ではない。


・育成継承
リマスターで追加された超える力、大雑把に言えば親そのものをアクセサリとして子供に装備できるイメージとなる。

これはプレイヤーが育成した分の全てが反映される、ギュスの剣スキルが10上がったら、ギュスを装備したキャラの剣スキルが10上がる。これはスキルだけじゃなく純粋な力と魔力も対象となる。

サガフロ2はダブル主人公である為、第1世代から普通に別ルートのキャラで使っていける。
そしてスキルはもちろん序盤は上がりやすい為、ギュスターブが自分で剣スキル30まで上げてそれを装備したウィルが0->15くらい稼げばギュスターブ側は剣スキル45という意味の分からない領域に達する。


▽年表
シナリオ選択時に年表が確認でき、そこに正史が既に記載されている。
ここに書かれているのは大陸の始まりからギュスターヴの死までである。

ギュスターヴ、魔法の源であるアニマを持たない出来損ないの王族の子。
彼が生まれ、死に、また生まれ、大陸に平和が訪れる歴史がそこには書かれている。

プレイを進めるにつれて、ギュスターヴの語られなかった歴史と、もう一人の主人公の歴史がここに追記されていく事となる。

- ブチ切れプルミエール



プレイ可能なシナリオについても今回年月の一覧で見れるようになったため、全く関係ない二人の英雄がどのようにすれ違っていたのかが分かりやすくなった。

流石に年表通りにやってないと鉱山再びでノルマがきつくなった経緯なんて分かんねえよってなるので、ここはかなり大きかったと思われる。





▽詰む
・サガなのでよく詰む、なんならサガフロンティア2においては2,3回詰んでから最終的に10年くらいしてからクリアしたような気がする。

レベル上げが制限される上、シナリオ進行上何度かキャラクターの育成がリセットされる為、詰みポイントがいつもより多い。

・ソロで動くシーンが多いのだが、別にボスじゃないシーンで普通に即死する。
→普通にプレイしててレベル上げできる状況じゃないのに死ぬ。というか最初の戦闘で死ぬ。もちろんサガなので正解はその時は無視して進む事だ。

・ラストダンジョンに関してはLPごと回復するポイントがいきなり増えてるので、詰む事は減った気がする。武器もこの段階なら余ってるだろうから詰まっても中でレベル上げできるシーンも増えただろう。

・ゲストキャラを戦闘パーティーに入れてないと負けイベントが発生せずゲームオーバーがノーヒントはそのまま。


▽感想(バランス)
育成継承がかなり無茶苦茶なバランスブレイカーだった。

単純に同武器種のキャラが二人いれば育成速度が2倍になるし、
序盤で技閃いて貯金しとこうかなって時の育成がその後全てに反映されていくので原作にあった世代交代の時の異常なまでの戦力ダウンが存在しない。

原作は2世代目の影が薄い構成で、やっと2代目がまともに戦えるようになったと思ったら最終世代に行ってまた育てなおしかよ......という感じでテンポ悪くなっていた。

なので改善だとは思うのだが、1週目でギュスターブがメガリスビーストに7000叩き出すのはどう考えてもやりすぎである、そこまで異常な育成はしてなかったよ俺は。





2世代目も進行上多少鍛えられて使い物になる為、6人鍛える必要がある最終世代がまさにオールスターで挑める綺麗な形となった。

最終的にラスボスは全形態を全て1ターンでぶちのめしていく事になった。バランスは壊れている。

とはいえ原作から詰みポイントが異様に多いゲームだったため、このくらい割り切った方が良かっただろう。
今回は多分最初の2,3シナリオで折られなければ、詰む可能性がある場所は多分2か所くらいしか無いのではないだろうか。


▽感想(UI)
利便性と世界観の観点で手が入れられており、基本的にセンスが良い。

・ワールドマップの年表追加によるシナリオ理解の補助。
・戦闘を跨いで記憶されるデュエルのコマンドリピート。
・移動と戦闘でそれぞれ倍速設定あり、これは移動速度というよりゲームごと加速するので、戦闘時の倍速とそれ以外全ての倍速設定となる。
・オートセーブ、クイックセーブ、リトライあり。
・リセットショートカットあり。
・タイトルのContinue先をオートかクイックか選べる、リセットからのリロードはクイックが良い。

閃きやレアドロップ狙いの際は倍速以降の設定は必須となる。


▽感想(レアドロップ)
サガなので章ボスクラスに1%ドロップが設定されている。5%にしない?マジで。

倍速とリセットのお陰でかなりマシにはなっているが、即死が取れない相手や連戦だったりする際の厳選は相変らず地獄の様相を呈する。レベル上げと並行してできない所は確定ドロップにしてほしい。

あとこれは独自研究になるが、1%ドロップは26時以降にしかドロップしない。2回ほど1時間くらいリロードしてて2時回らないと落ちなかったり、26時に道中のナイトペッグ2匹倒したらヴァレリアハート落ちたから間違いない。


▽感想(アニマ)
アニマはこの世界において常識であり、本編で説明はない。
それ故にアニマを持たない王の子は棄てられている。





ファンタジー的にはマナとか魔力とかに翻訳できる概念ではあるのだが、本作の文明圏ではかなりアニマ至上主義的な大国が幅を利かせている為、いうなれば魔法系エルフの森に魔力無しの子が生まれたくらいの差別が発生する。
その光景をヒト属がやり、故事成語まで浸透していると思われるため、単にアニマをMPの事だと理解していると混乱する場面もある。

- アニマの例文集



活用を見ていくと、ヒトにとってアニマとは魔力であり、血統によって受け継がれ、人の心、命その物でもあると理解されている。
そのような文明圏で人の心を持たない無アニマ者がどのような扱いを受けるか、というのが本編の柱の一つとなっている。

この辺本当に序盤に集中してるので一週目は少々厳しい物があったかもしれない。





▽感想(全体)
自然な誘導が引かれたストーリー体験と、中編RPGに許されるギリギリのビルド緩和がサガフロンティア2の魅力を引き出している本作はまさしくサガフロンティア2を始める最適のパッケージである。

魅力的なクソガキであるギュスターブ、付き合いが長いウィル・ナイツの初期主人公から始まり、年齢による世代交代が徐々に入り、新キャラはあの人の弟子、苗字を名乗れば実は、という100年程度の連なりは正しい順番で見ていくととても強力であり、それを邪魔しないよう戦闘面はひたすら緩和し、ゲーム速度も向上させ、一方でユーザーが勝手にやるやり込みの幅は維持し、終わった後のやり込みで緩和した分をひっくるめた上でさらに全てを要求してくるのは非常にバランスが良い。

開発側の既存プレイヤー、既存脱落者、もしかすると存在する新規プレイヤー、全てのユーザーにサガフロンティア2の世界を伝えたいという強い意志を感じる出来栄えであった。見事な品質管理である。


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